「被害からの回復」に関する犯罪被害者調査-オンライン調査の結果報告書
38/70

「裁判ではわからなかった、被害者への謝罪方法を伝えられたこと、自宅近くに来ないで欲しいこと」「加害者の性格を知れたから」「4年間、繰り返し心情を伝えられたので、『できる限りのことはした』という気持ちで終われた」といったことが挙がった。「満足しなかった」理由としては、「保護観察官を通じて謝罪の手紙はもらいましたが、手紙の内容を何も実行しなかった」「保護観察所の方は何度も心情伝達に協力して下さいましたが、加害者は自分のことばかり、反省もなくこちらが望んだことは聞いてくれず、反対に謝罪しろと言われた」「伝わったのか、伝わらなかったのか分からない」といったことが挙がった。被害者等通知制度を利用したという回答は、全体の12名(2.4%)であった。被害種別では、〈性被害〉2名、〈交通被害〉5名、〈暴力被害〉2名、〈殺人等被害〉2名、〈その他の被害〉1名であった。同制度の利用について、「満足した」1名(8.3%)、「満足しなかった」9名(75.0%)、「どちらでもない」2名(16.6%)であった。「満足しなかった」理由については、表16の通りであった。刑事裁判(少年審判)とは別に、加害者に直接自分の思いを伝えたい、質問したいと思うことはあるかを尋ねたところ、「ある」121名(24.0%)、「ない」359名(71.2%)、「その他」24名(4.8%)であった(図35)。被害種別では、〈殺人等被害〉13名(〈殺人等被害〉全体の68.4%)、〈暴力被害〉の9名(〈暴力被害〉全体の45.0%)が、「加害者に直接自分の思いを伝えたい、質問したい」と回答しており、他の被害種別より高い割合にあった(図36)。「その他」の回答における自由記述は、表17の通りであった。表16.被害者等通知制度の利用について「満足しなかった」理由(オープン調査の回答)性犯罪再犯防止プログラムが、たったこれだけの回数なのかと愕然とし、こんな程度で更生するわけない、意味のないことに感じた〈性被害〉何ら通知などない〈交通被害〉加害者の更生がどの程度進んでいるのかがわかりにくい〈交通被害〉通知される情報が少なすぎる。面会の回数しか知ることが出来なかった〈交通被害〉(加害者の)成績表のようなもので実際の心情等の変化が不明〈殺人等被害〉全て事後報告〈殺人等被害〉通知はその時だけのものだから〈暴力被害〉17.加害者に対する思い17-1.加害者に対する質問等の意向(図35 図36 表17)― 34 ―16.被害者等通知制度の利用(表16)

元のページ  ../index.html#38

このブックを見る