「被害からの回復」に関する犯罪被害者調査-オンライン調査の結果報告書
5/70

わが国の犯罪被害者のための制度・施策は、2004年に犯罪被害者等基本法が制定されたことで大幅に進展してきました。しかし、制度・施策が整ってきても、果たして被害当事者の方に届いているか、被害者のニーズに対応できているか、被害者にとって使いやすいものになっているか、まだまだ改善すべき余地があるのが現状です。そこで、私たちは犯罪被害にあった方々(被害者本人・家族・遺族)を対象に、被害者のためのよりよい支援体制を探ることを目的に全国調査を実施しました。この調査研究は、日本学術振興会科学研究費助成(基盤研究(C)課題番号:19K02221)を受けて2019年度~2022年度にかけて行ったものです。「被害からの回復」に関する犯罪被害者調査として、被害にあってどのようなサポートを受けることができたか、あるいはできなかったか、刑事手続において役立ったことはあるか、被害後の「回復」を支えるものは何かなど、多角的に調査し分析しました。この調査研究の全体像は、下図に示すように量的調査と質的調査から構成されています。量的調査は、調査会社モニター(モニター調査)及び一般からの協力者(オープン調査):計507名を対象に、オンラインで無記名自記式質問紙調査を実施しました。質的調査は、オープン調査協力者の中から同意を得た方:22名に対してインタビュー調査を行いました。本報告書は、このうち量的調査の結果に関する報告です。目次を参考にして目を通すか、もしくは「結果のまとめ」から報告の概要を把握していただき、被害者のためのよりよい支援体制を築くために何ができるか、共に考え行動に移していただければ幸いです。謝辞 最後になりましたが、この調査にご協力いただいた被害当事者の方々、関係機関のみなさまに深謝いたします。研究代表者 伊藤冨士江(上智大学)研究分担者 大岡由佳(武庫川女子大学) 大塚淳子(帝京平成大学) 平山真理(白鴎大学)2023年3月吉日「被害からの回復」に関する犯罪被害者調査の全体像本報告書の内容 ◆量的調査:オンライン質問紙調査モニター調査(調査会社のモニター:412名)この結果はつぎのURLを参照 cvi_221011.pdf (fujie-ito.com) オープン調査(一般からの協力者:95名)― 1 ―この結果はつぎのURLを参照2021年インタビュー調査 | 科研費による研究 | 伊藤冨士江のホームページ ◆質的調査:インタビュー調査インタビュー調査への協力に同意した方:22名「犯罪被害者の『回復』過程を促進する要因に関する研究」について

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る