「被害からの回復」に関する犯罪被害者調査-オンライン調査の結果報告書
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• 被害後の経済的状況は、「あまり変わらなかった」が最も多く66.9%、「厳しくなった」:21.6%、「非常に厳しくなった」:9.7%等。 〈殺人等被害〉で「経済的に非常に厳しくなった/厳しくなった」割合が最も高く、〈暴力被害〉、〈DV被害〉が続いた(図9)。• 被害後1か月以内に支援機関からのサポートを「まったく受けなかった」が8割を占め、「少し受けた」:10.9%、「かなり受けた」:8.3%(図10)。 〈殺人等被害〉では支援を「かなり/少し受けた」が7割を占めた一方、〈性被害〉〈ストーカー被害〉では9割近くが支援をまったく受けていなかった(図12)• 被害にあった当初、頼れる人(支援機関の者も含む)が「いた」が4割、「いなかった」が約6割(図13)。 〈殺人等被害〉、〈交通被害〉で頼れる人として挙げる人数が多く、〈DV被害〉、〈ストーカー被害〉、〈性被害〉、〈暴力被害〉では人数が少ない傾向(表8)。• 「刑事裁判(少年審判)になっていない/ならなかった」が7割で、「刑事裁判(少年審判)になって判決(処分)が確定した」:28.8%、「刑事裁判(少年審判)になったが、まだ判決(処分)が確定していない」:0.6%(図24)。 〈DV 被害〉、〈ストーカー被害〉、〈性被害〉では「刑事裁判(少年審判)になっていない/ならなかった」割合が高く、〈殺人等被害〉では8割が「刑事裁判(少年審判)になって判決(処分)が確定した」(図25)• 「医療観察法の対象だった」のは13名(全体の2.6%)で、内訳は、〈性被害〉4名、〈DV被害〉3名、〈ストーカー被害〉2名、〈交通被害〉2名、〈暴力被害〉1名、〈殺人等被害〉1名。• 少年事件で「少年審判が開かれた」のは12名(2.4%)で、内訳は、〈殺人等被害〉4名、〈交通被害〉3名、〈暴力被害〉・〈その他の被害〉各2名、〈性被害〉1名(図26)。 少年審判で利用した制度は、「事件記録の閲覧・コピー」「審判結果等の通知」「審判の場での意見陳述」が多かった(表10)。• 警察の関与なしが過半数を占めたが、関与があった者が警察から受けたのは「今後の捜査の流れの説明」:21.8%、「加害者に関する情報提供」:17.3%、「事件発生直後からの付き添い」:10.9%等(表11)。• 警察の事情聴取について、「該当しない」が約6割、「適切に対応された」:25.2%、「適切に対応されなかった」:15.9%(図30)。• 「適切」と感じた理由は、〈性被害〉では「あなたは悪くないと言ってもらえた」「丁寧に多様な配慮ある対応をしてくれた」といった点、〈交通被害〉〈殺人等被害〉でも「親身に話を聞いてくれた」「何度も聞き直してくれた」など丁寧な聴取に関するものが多かった。一方、「適切ではなかった」と感じた理由は、事情聴取の場所の問題、長時間、説明不足、被害者の心情への配慮不足など(表12)。支援機関からサポートを受けたか加害者の司法手続の状況は?― 56 ―◆司法手続においてどんな制度を利用し、支援を受けたか警察段階での関与

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