科研費による研究

2019~2021年度の研究

 2019年度より日本学術振興会科学研究費の助成(基盤研究(C) 課題番号:19K02221)を受けて、以下のような研究を進めています。

1.研究課題:犯罪被害者の「回復」過程を促進する要因に関する研究

2.研究の目的・内容:

【問い】人は苛烈な体験を経た後に、どのように積極的な意味を見出すことができるか。【研究目的】犯罪被害者の「回復」過程を促進する要因について明らかにする。【研究内容】:平成31~33年度(3年間)(1) 過酷な体験後のポジティヴな心理的変容の概念整理を行う(2)被害者の心的外傷後成長(Posttraumatic growth、PTG)と「回復」を促進する要因を探るため質問紙調査(量的分析)とインタビュー調査(質的分析)を実施する(3)北米の研究結果と比較する。【研究成果】(1)	PTGと犯罪被害との関連を明らかにする(2)	被害からの「回復」過程を促進する要因を明らかにし、新たな研究的・実践的知見をもたらす(3)	北米の研究結果と比較し、PTGや犯罪被害からの「回復」に関するわが国の実証的研究結果を発信する。犯罪被害者に対する中長期支援、被害者学の進展に寄与

3.研究計画・方法

本研究では、まず逆境体験における「心的外傷後成長(Posttraumatic growth、以下PTG)」、「レジリエンス」、「意味づけ」といったポジティヴな心理的変容の概念整理を行う。次に、研究目的にそってA.オンライン調査(量的分析)、B.インタビュー調査(量的分析)を実施する(ミックス研究法)。申請時での目的、対象、内容はつぎのとおりである。

A.オンライン調査
  • 目的:被害者のPTGの程度と、「回復」過程を促進する要因を明らかにする。
  • 対象:①殺人・傷害致死などの暴力犯罪被害者、②性犯罪被害者、③交通事犯被害者を予定している。(いずれも現在民間被害者支援団体等が多く対応している被害者層であり、これらの被害ごとに多くの自助グループも立ち上がっている。)
  • 内容:対象者のPTGについてPTGI-X(改訂版)を用いて測る。被害直後から生活の再構築に至る過程における、情報、心理教育的介入、刑事手続支援、ソーシャル・サポート、インフォーマル・サポート等の社会資源について、役立ったか/役に立たなかったか、意味があったか/意味がなかったかを尋ねる。
B.インタビュー調査
  • 目的:被害者の「回復」やPTGを促進した要因を質的に探る。
  • 対象:調査Aの対象者のうち、PTGの高い群に入る被害者
  • 内容:個別インタビューにおいて、PTGの主観的内容や「回復」過程について自由に語ってもらう。